夫にそういうやつだと言われた。

金土日と姉の子供に会いに東京に行った。

出る前に病み上がりの夫に
お前はおれがちょっと調子が良くなったら
すぐに忘れて人のことをこき使う
お前は そ う い う やつだ
と言われた。

むっとして思わず言い返したが
2〜3日離れることになるのでちょうどいい機会だから
おたがい持って帰って考えよう
ということになった。

姉の子供はまだ生まれて3ヶ月たたない。
とってもかわゆい
うれしいときは笑うしいやだと泣く
とってもかわゆい

ついでに土曜日は薬局で仕事をしてきた。
辞める人と新しく入った人に挟まれてつなぎで来た派遣などに
みんな構っていられない忙しさだったので
わたしも一生懸命動いた。
ご挨拶と月のお祝いとが重なってケーキを2つ貰えた。
いい時に来ちゃいましたねーと言い残して去った。

夜になると咳が出る。
来るときのバスの中から喉が乾燥して痛かった。
生まれたての姪っ子と同じ部屋だから少し緊張する。
布団を抜け出してソファで眠った。
このソファは10年ほど前にも
眠れない私を横たえていたっけ
毎夜毎夜眠らずにテレビを見たり本を読んだりしていた頃を思い出す。

夫に言われたことが浮かんでくる。
お前は そ う い う やつだ。
そういうに込められた想いが痛い。
思い返すとむかっとしてこなくもない。
だけど確かにわたしはそういうところがある。
苦しむ人を目に留めながらそのままにするようなところが
そしてそれを心の中で少しも悪いと思っていないところが

医療人としてどうなのでしょう
病んだ人を助けてあげようと思わないのは
いいえ思うんです
だけどいつでも助けてもらえるのってどうなんでしょう

考えたって仕方ない。
とっさの行動はその人の生き様が映し出されるから
わたしのようにする人もいればそうはしない人もいるのだろう
わたしにはわたしの想いが反映される。
わたしは そ う い う やつなんだろう。

日曜日に仕事で上京してきた夫と会う。
渋谷で待ち合わせをして代々木公園をぶらつく。
大きなギターを背負って猫背で歩く彼はちっとも冴えないのだが
すこぶる体調の悪いわたしも同じように冴えない。
冴えないもの同士が手をつなぐ。
彼の手はいつも温かい。

春風にどんちゃん騒ぐ人々をくぐり抜けてわたしたちは芝生に寝そべる。
太陽が真上近くから照らしてとても暖かい。
しばらくそのままで眠った。
からだが冷える手前で起きて時計を見る。
帰りのバスまであと35分。20分もあれば間に合うだろう
新宿の大都心街まではここからすぐそこ目に見える。なんだか変な気分だ
走る人、犬と散歩する人、弾き語りをする人、漫才をする人、野点をする人々、
ここにはいろんな人が大勢いる。
トイレに行く彼と一緒に公園の正門まで歩く。
考えてみたけどわたしって そ う い う やつだよねーとつぶやく。
そうだよと彼は言う。
あまり多くの言葉は要らないと思う。

帰りのバスの中では気分が悪いのがピークになって空いていた後部座席で横になった。
セレスタミンを服むと発作的な咳は止むがこのだるさは堪えようがない。
久々に医薬品との化学反応を味わう。
熱いんだか寒いんだかわからない体の感覚を引き連れてようやく我が家に到着。
誰もいない。愛犬もいない。
いるのにいないから寂しくなる。
体温計の値をみて明日は気が済むまで眠っていようと決める。
発作の薬、漢方薬、タイで買ってきたハーブのバーム、のどあめ、仁丹、
家にあったいろんな助けになりそうなものをまとめて枕元に準備する。
シナモンとクローブ、フェンネルを煮立てたお湯をポットにいれて
トイレットペーパーとゴミ箱もセットする。
パジャマの襟元にタオルを巻いて、考えられる装備を整えたら布団に倒れ込む。
こんなことを考えられるうちは死なないなと
思いながら死んだように眠る。
眠りに落ちる前に
そ う い う やつでいることの報いはこうして受けているんじゃないかな
と思う。
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by medine | 2012-04-02 21:10

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